私の視点で「積極的に食べさせたいもの」「変えるとよいもの」「その他メモ」の3つに分けてまとめてみました。
積極的に食べさせたいもの
卵
1日1〜2個。できれば朝、ゆで卵で。
人間に必要な20種類のアミノ酸全て(ビタミンDも)をバランスよく含んでいる。
たんぱく質を摂らないと攻撃性が増す。しっかり摂れば周囲の人をより受け入れ、優しく接することができる。
鮭・いわし・しらす(ちりめんじゃこ)
日本人の大半が不足しているビタミンDが豊富。
ビタミンDは、脳の細胞に直接作用し、胎内にいるときに欠乏すると自閉症や発達障害になりやすい。また、免疫にも深く関与している。
ビタミンDがないと、せっかく摂取したカルシウムも活用できない。
特にしらす(ちりめんじゃこ)はビタミンDとカルシウムの両方を含むので素晴らしい。※毎日大さじ2杯程度
青魚
DHA・EPAが豊富。
摂らないと「健康を保てない」脂=多価不飽和脂肪酸
乳幼児期に食べていた子のほうがIQが高い。
皮膚を保湿する、炎症を抑える、動脈硬化を予防する。
缶詰もOK。※できればBPAフリーのものを
かつお節
たんぱく質・ビタミン・ミネラル、脳機能を高めるEPAが豊富。
雑穀米
玄米より食物繊維が豊富。
善玉菌のエサになる食物繊維がなければ、善玉菌を積極的に摂っても意味がない。水溶性食物繊維が重要。
「ブラン」も良い。
※玄米は白米よりもミネラルが豊富だが、食物繊維の量は白米と変わらない
高野豆腐パウダー・おからパウダー
重量あたりのたんぱく質量が多い。
高野豆腐パウダーは難消化性たんぱくとして腸に届き、食物繊維のような機能ももつ優れもの。
野菜パウダー
皮まで摂取できるので無農薬タイプが安心。
様々なものに混ぜ込める。
みそ汁
善玉菌と食物繊維を一緒に摂れるため、腸活効果が上がる。
野菜のみそディップも良い。
鉄分・たんぱく質
動物性+植物性で、鉄分は吸収率が上がり、たんぱく質量が上がる。
飽和脂肪酸・悪玉コレステロール・カロリーをカットするため、肉の脂・鶏皮はカットする。
亜鉛
牡蠣・うなぎ・いわし・海藻・枝豆・すりゴマ(カルシウムも豊富)
ファイトケミカル(植物に含まれる有用な化学成分)
- スルフォラファン(ブロッコリースプラウト)
- ケルセチン(玉ねぎ)
子ども用のサプリメント
欧米に比べると、日本の親は「食事だけで栄養をまかなえるようにしたい」と考えがち。しかし現代の食材・食事内容では不可能。
鉄やカルシウムが強化されたウエハースや、ビタミンDが強化された卵などでも良い。
変えるとよいもの
甘いくだもの
バナナやキウイフルーツ、酸っぱめのくだものにする。
朝食べることで1日のエネルギー源として活用できる。
白砂糖
てんさい糖・きび糖・黒糖にする。
カロリーが若干低く、少量ながらビタミン・ミネラルを含む。
てんさい糖は食物繊維の仲間であるオリゴ糖も含む。
一般のヨーグルト(体内で炎症を起こす不飽和脂肪酸が含まれる)
脂肪ゼロで高たんぱくのギリシャヨーグルトにする。
牛乳は低脂肪タイプに。
一度使ったオイル
新鮮なエクストラバージンオリーブオイルにする。
良質なものは不飽和脂肪酸が多いが、大さじ1杯で120kcalにもなるので摂りすぎには注意。
または、ごま油の新鮮なものにする。
これらの油は酸化温度が高いため、加熱調理する際に比較的安心。
オイルを加熱→酸化する=老化につながる
血管を傷つけるだけでなく、脳もサビてしまい、シミやしわの原因になる。
揚げ物は月1〜2回にとどめる。
※バターやラードなど常温で固体になる乳製品や肉の脂=健康を損なう飽和脂肪酸
スポーツドリンク
糖の過剰摂取(ペットボトル症候群)になるので、「日常的に飲む」のは避ける。
水やお茶(カフェインゼロ)にする。
※運動時や発熱時はOK
ハムやソーセージなどの加工肉
がんリスクが上がるのでできるだけ摂らない。
発がん性物質(リン酸塩・アミノ酸・亜硝酸ナトリウム)無添加のものを選ぶ。
茹でて食べることで発がんリスクを下げられる。※焼くとリスク増
その他メモ
免疫細胞の約7割が腸にある
善玉菌が減り悪玉菌が増え腸内環境が乱れる=免疫力の低下
高脂肪食は腸内環境を乱しやすい。
子どもは喉が渇いたと自覚しないことがある
ちょこちょこ20〜30分おきに水分を摂る。
子どもは大人に比べて体内で水が必要となるまでの時間が40%ほど速い。(体水分代謝回転)
異性果糖は脂肪肝の原因の1つとなる
果糖ぶどう糖液糖などは、体内で過剰な糖として脂肪に変換される。
お菓子や清涼飲料水など要注意。
冷凍野菜の栄養価は意外と高い
市販のものは、冷凍前の熱湯処理により酵素が失活しているため、栄養素が分解されにくい。
牛乳は1日200mlまで
毎日たくさん飲むと鉄が不足して牛乳貧血になることがある。
アーモンドミルクはビタミンE、オーツミルクはカルシウムが豊富。
糖の閾値(満足する値)を上げない
糖を摂ると脳の「報酬系」という回路が幸福を感じ、摂る度に閾値が上がる。
糖の摂りすぎが習慣化すると、将来タバコ・アルコール・ドラッグなどへの依存リスクが高まる。
市販の惣菜を選ぶとき
たんぱく質を摂れるかどうかを基準に選ぶ。
寿司は主食と主菜が同時に摂れ、DHA・EPAも補給できる。
揚げ物は避ける。
食べる時間を意識する
日中に「異化反応(分解して使うこと)」夜間に「同化反応(蓄積すること)」が行われる。
余分なカロリーを体内に蓄積させないため、夕食は夜8時までに済ませる。
朝食を抜くと体内時計のリズムが弱くなり、調子を崩しやすくなる。
食事と同じくらい運動も大切
筋肉のためだけではなく、摂取したたんぱく質を構成するアミノ酸が脳に運ばれて、幸せホルモン・やる気ホルモンが作られる。
記憶力・思考力・気分・情緒・集中力も上がる。
病気とたたかう抗体はたんぱく質から作られる
病気とたたかう抗体はたんぱく質から作られる
食が細くたんぱく質が不足気味の子どもは、白血球数が比較的少なめ。
乾燥などの皮膚トラブルにはビタミンDと亜鉛とDHA・EPA
サプリでも良いのでしっかり補う。
乾燥肌からはアレルゲンや病原体が入り込みやすいので、外側からの保湿もしっかりする。
から揚げはレモンと一緒に食べる
レモンの抗酸化力で、糖化・酸化を少しでも抑える。
おわりに
全体を通して、子どもはもちろん大人の食生活にも活用できる情報が多かったです。
こちらの本の売りである「エビデンス」の出所も巻末にきっちりびっしり明記してあり、信頼性もとても高いと感じました。
ちなみに、我が子は小学生なので、このブログ記事では離乳食についての記述など割愛しています。
本書には乳児期からのアレルギー予防のことなども書いてあります。
また、問題行動・発達障害(自閉症・ADHD)と栄養素の関係、偏食などについても書いてあります。
このあたりのことが気になる方は、ぜひ本書を読まれることをおすすめします。
1〜2日で読めます。